2008年11月14日 11時28分 金曜日
うわさのズッコケ株式会社
![]() | うわさのズッコケ株式会社 (こども文学館) (1986/07) 那須 正幹前川 かずお 商品詳細を見る |
このシリーズではこの作品がとても好きで、
小学生の時も、中学生のときも、
そして今読んでも面白いなと思います。
この話がなぜ面白いと感じるのか?
それは、商売の楽しさを教えているからに、
ほかならないと思います。
もし、読まれたことがない方は
是非お読みください。
ネタバレもあるかもしれませんので、
嫌な方はここからは読まないようにね。
魚釣りに来ている人たちが、
お腹が空いているのに、店が近くにないから
困っている(最初は主人公達がそうだったのですが)ことに、
3人組が気付くことから話が始まります。
それなら、自分達が売ればいいジャンという事で
弁当屋を始めるんですよ。
(この発想が小学生の読者からしたら憧れです)
さらに、その弁当が売れまくるので、
その成功体験にも小学生ながらに
ワクワクしていました。
もっと規模を大きくしたいということで、
3人は『株式会社』にしようと考えるのです。
このときに、私は初めて『株式会社』の考え方
に触れました。
株券をクラスメートとかに発行して、
元手を増やしていく。
ピンチもあったけど、その分そのあとの成功への
クライマックスがとてもうれしかったのを覚えています。
作者の那須さんの『働くこととは何なのか?』
『商売とはなんなのか?』
というメッセージを随所に散りばめた質の高い
児童書だと思います。
この児童書に書かれている株の概念が、
私にとって一番しっくりと腹に落ちます。
ドラマ『CHANGE』で総理大臣が
『小学5年生に分かりやすい言葉で
お伝え願いますか?』
といい秘書が、
『委員会にたとえると・・・・』
という場面がありました。
あの場面でもものすごく腑に落ちたのですけど、
この本での株式会社もものすごく腑に落ちます。
自分達は弁当屋をやっているが、
自分達の小遣いだけでは、
弁当欲しい人全員には売れない。
だから、みんなにお金を貸して欲しい。
利益が出たらその分も配当金として
渡すから。
このように、クラスメートに言うわけです。
たくさん貸してくれる人もいるし、ちょっとだけの人もいる。
それは、ズッコケ3人組や弁当屋に対する信用で
かわるのです。
これは、本当の株式でも一緒であると考えます。
株式というのは本来こういうことだと思います。
『あなたの事業はとても面白そうだし、
信用もあるし、がんばって欲しいから
株というものを買ってお金を出資してあげる』
そういう株主のために、
『信用してくれてありがとう。このお金を元手に
利益を出してあなたにお返しするために、
がんばります』
これは、今となっては理想論なのかもしれません。
しかし、私はこういう関係であることを祈ってます。
もちろん、利益を出すために悪いことなど
なんでもして良い訳でなく、正当なことで儲けて欲しいと思いますが。
私は、まだまだ財力ないので、株式に入れませんが、
もし株をするとしても、
自分の好きな会社、社会を作るためにがんばっている会社に
自分のお金を渡したいと思います。
今の株式市場は、どちらかというと理想論からはずれ、
株主の自分自身の財産の保全の為や、
自分の金儲けのために株に手を出すことが
多いと思います。
しかし、これでは、本当に社会によく頑張っている会社が
生き残れず、結果的に社会全体が
マイナスの成長するかもしれません。
この『うわさのズッコケ株式会社』では、
最後の方に、出資したあるクラスメイトが3人組に
言い寄ります。
『ちぇっ、これだけしか増えなかったのか。』
ちなみに、
そのクラスメイトは、ちょっとしか出資していませんでした。
そこに3人組の弁当屋を手伝っていた違うクラスメイトが言うのです。
『おまえ、ちょっとしか出資してないじゃん。
いいか、この3人組がこれだけの利益を出すのに
どれだけ一生懸命してきたか分かってるのか?』
という風なことを言います。
これは、作者の那須さんがこの作品の中で
主張したかったことのひとつだと思います。
働くことは尊いことであり、そして充実感があり、
そしてなにより楽しいことである、
そんなことを語りかけてくれる作品です。
質の高いメッセージを如何に伝えるのか。
それも、物語として面白く、
小学生が読むために平易な言葉で。。。
このシリーズでは、時々那須さんのメッセージが
込められておりぜひとも読んでもらいたい作品が
たくさんあります。
小学生の本だと馬鹿にせず読んで見られた
いかがでしょうか?
他のお勧めは
正義とは何か?というメッセージも含まれている
『花のズッコケ児童会長』
雑草魂と著作の問題について書かれている
『ズッコケ文化祭事件』
あとは、新聞を作るワクワクを教えてくれた
『とびだせズッコケ事件記者』
ですかね。


